遮熱性能で光熱費削減はどのくらい?効果と影響要素を解説
2025.07.13 - 家づくりのこと

猛暑が続く近年、家計を圧迫する光熱費の高騰は大きな悩みです。
特に冷房費は、夏の支出の大きな部分を占めているのではないでしょうか。
少しでも光熱費を抑えたいと考えている方も多いはずです。
そこで注目したいのが、家の「遮熱性能」です。
遮熱性能を高めることで、光熱費を削減できるだけでなく、快適な住環境も実現できます。
今回は、遮熱性能と光熱費削減の関係、具体的な削減額の目安、そして削減効果に影響を与える様々な要素について解説します。
遮熱性能と光熱費削減の関係
遮熱性能の向上効果
遮熱性能とは、太陽光線、特に赤外線(熱線)を反射し、建物内部への熱侵入を防ぐ性能です。
これは、断熱性とは異なる概念です。
断熱性は、熱の伝わりにくさを表し、室内外の熱移動を全体的に抑制するのに対し、遮熱性は、主に太陽光からの熱を反射することに重点を置きます。
両方の性能を高めることで、より効果的な省エネを実現できます。
遮熱性能を高めることで、冷房負荷を軽減し、電気代の削減に繋がります。
具体的には、適切な遮熱対策により、夏の冷房エネルギー消費量を最大30%削減できるという研究結果もあります。
光熱費削減の目安
遮熱性能の向上による光熱費削減効果は、地域、住宅構造、ライフスタイルなど様々な要因に左右されます。
しかし、目安として、高性能住宅(HEAT20・G2グレード相当)では、省エネ基準を満たす住宅と比べて年間で約16,000円の電気代削減が期待できるケースもあります。
これは、冷暖房にかかる負荷を約30%削減できることに相当します。
さらに高性能な住宅では、削減効果は40%にまで達することもあります。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の削減額は個々の状況によって大きく異なります。
削減効果に影響する要素
遮熱性能による光熱費削減効果は、単に住宅の性能だけで決まるわけではありません。
地域差、住宅構造、そしてライフスタイルも大きな影響を与えます。
例えば、日照時間が長い地域や、南向きの窓が多い住宅では、遮熱効果がより顕著に現れます。
また、住宅の構造、特に屋根や壁の断熱材の種類や厚さ、窓の種類なども削減効果に影響します。
さらに、エアコンの使用頻度や設定温度、窓の開閉頻度といったライフスタイルも重要な要素です。
光熱費削減効果はどのくらいか
地域による違い
地域による気候の違いは、光熱費削減効果に大きな影響を与えます。
例えば、夏季の気温が高い地域では、遮熱性能の向上が冷房費の削減に大きく貢献します。
一方、冬季の気温が低い地域では、断熱性能と合わせて遮熱性能を高めることで暖房費の削減も期待できます。
地域特性を考慮した適切な遮熱対策を行うことが重要です。
住宅構造の影響
住宅の構造は、遮熱性能と光熱費削減効果に密接に関係しています。
屋根や壁の断熱材の種類や厚さ、窓の性能、そして家の向きや日当たりなども重要な要素です。
例えば、屋根裏に遮熱シートを設置するだけでも、2階の室温を数度下げることができ、冷房費を削減できます。
窓に遮熱フィルムを貼る、高断熱の窓サッシを使用するなどの対策も効果的です。
ライフスタイルの影響
ライフスタイルも光熱費削減効果に影響を与えます。
エアコンの設定温度や使用時間、窓の開閉頻度、カーテンの使用など、日々の生活習慣が光熱費に大きく関わってきます。
例えば、日中はカーテンを閉めて直射日光を遮る、夜間は窓を閉めて室温を保つといった工夫をすることで、冷暖房の効率を高め、光熱費を削減できます。
まとめ
遮熱性能の向上は、光熱費削減に大きく貢献します。
その効果は、地域、住宅構造、ライフスタイルなどによって異なりますが、適切な対策を行うことで、年間数万円の削減も期待できます。
高性能住宅では、省エネ基準の住宅と比べて年間で16,000円以上の電気代削減が期待できるケースもあります。
しかし、光熱費削減のためには、遮熱性能だけでなく、省エネ機器の導入も重要です。
遮熱対策と省エネ機器の組み合わせ、そして日々の省エネ意識によって、より大きな光熱費削減効果を得ることができるでしょう。
快適な住環境と家計への負担軽減を両立させるため、ご自身の住宅状況に合わせた最適な対策を検討することが大切です。